樋口 聡さん[美術学科 2017年3月 卒業]
香川県立高松工芸高等学校美術科 教諭
▶︎作家活動を続けながら教員の道へ
美術系の高校から、作家をめざして大阪芸術大学附属大阪美術専門学校へ進学。卒業後は企業に就職し、仕事のかたわら作家として創作活動も続けてきました。職場でキャリアを積み、後輩を指導する機会が増えるにつれて高まってきたのが、人に「教える・伝える」ことへの関心です。「美術教師になって子どもたちを教えたい」という目標ができ、通信教育で教員免許を取ることを決めました。
専門学校での取得単位をいかして美術学科に2年次編学入。当初は通信教育で学ぶことに不安がありましたが、スクーリングでの実習ほか作品制作の機会も十分にあり、多くの刺激を受けながら楽しく学修できました。大学では自分の作家性についても探求し、先生方に何度となく相談。卒業制作では構成や理論まで深く考え、納得のいく作品を完成させることができました。学生の迷いを受け止め、親身にアドバイスをくださる先生方の姿勢に感銘を受け、自分もこうありたいと思いました。
現在は美術科教員となって母校に赴任。通信教育部でお世話になった先生方にならって、生徒たちと議論を重ねながら作品への向き合い方や作家活動について伝えています。自身の作品制作を続けているのも、教育に還元したいとの思いから。今後は気力や体力、時間を徹底管理して、より密度の濃い表現活動を展開していきたいですね。
左)高校では美術系への進学を希望する生徒を指導
右)現在も個展やグループ展を毎年開催。インスタレーションなど多様な作品を発表し、教え子たちを刺激することも教育の一環
▶︎学習にスムーズに取りかかる秘訣
自宅学習は取りかかる時が大変。複数の課題を同時並行で少しずつ進め、ゼロからではなく前回の続きから取り組むことで、心理的なハードルが低くなります。