輝く卒業生

11月20日

卒業生:出村谷さん、後藤さん、上掛さん(大学案内2024に掲載記事)

入学のきっかけ、仕事と学びを両立するためのコツ、学びの集大成である卒業制作についてなど、通信教育部長・写真学科長の織作 峰子先生と3名の卒業生が、通信教育部の学びについて語り合いました。

(2023年に取材した内容です。)

 

大阪芸大通信教育部に決めた理由と、入学して得たもの

織作 峰子先生(以下 織作) まずは入学のきっかけを教えてください。

出村谷 幸子さん(以下 出村谷) 私は中学校で美術を教えていましたが、美術の知識や技術 不足を感じて美術学科に入学しました。学んだことをすぐに教育の現場で反映できるのが楽しく、 日本画や版画などを実際に体験できたのもとても良かったです。

後藤 聡さん(以下 後藤) 建設会社の営業の仕事にいかそうと考えて入学を決意。大阪芸大の広いキャンパスの雰囲気や、総合芸術大学という安心感も魅力でしたね。建築の専門知識が身についたことでお客様とのやり取りも変わり、学びの成果が仕事に直結しています。

上掛 周平さん(以下 上掛) 役所勤務のかたわら、 休暇のたびにカメラを手に世界を旅して回っていましたが、何か一つ自分の強みを極めたいと考えて写真学科へ。日本に数ある芸術大学の中でも、写真に関して「学科」という規模で力を入れ、社会人でも学べる体制が整っているのは大阪芸大だけ。期待以上に密度の濃い学びが得られました。

 

自宅学習やスクーリングの時間を確保するためのマイルールとは

織作 フルタイムの職業と学修の両立は大変だったでしょう。どんな工夫をされましたか。

出村谷 日常から離れて学修に集中しようと、よく図書館やカフェで勉強しました。課題制作のため徹夜で頑張ったこともあり、大変ではありましたが楽しかったです。

後藤 僕は逆に、勉強を日々のルーティンに組み込み、毎日少しずつでも取り組むことを習慣化。まず課題を優先し、毎月1つは提出するよう心がけていたので、スクーリングも余裕をもって受講できました。応援してくれる家族の存在にも力づけられましたね。

上掛 受講計画は大事ですね。スクーリングは平日を含めて開催されることもあるため、時間の確保が大変。僕は仕事の予定をエクセルで管理してスケジュールを組んでいました。

 

卒業制作に取り組んでみて、あらためて気づいたこと

織作 そうした努力が実って、皆さん卒業制作で学長賞や学科賞を受賞されています。卒業制作に取り組んだ経験は、どのようにいかされていますか。

出村谷 中国の兵馬俑をテーマに立体作品を制作。自分の殻を破って本当にやってみたいことに挑戦でき、美術に人生を賭けたいという気持ちが固まって、大学院への進学を決めました。

後藤 地元の公民館の建替計画として、転勤族も含め地域の人々が交流できるスペースを考案しました。先生方のご指導で調査やアンケー トなどフィールドワークに力を入れ、図面を引く前にやるべきことの大事さを実感。建築に対する考え方も根本から変わりました。

上掛 日本の美意識をテーマに、老舗和菓子店のお菓子を通年で撮影し、タイポロジーという芸術表現と阿波の和紙を組み合わせて作品化。通信教育部で学芸員の資格も取得し、その知識や博物館実習経験をいかして自分で展示できたのも良い体験になりました。

人生を豊かにする通信教育部の学び

織作 今後の目標と、入学される方へのメッセージをお願いします。

出村谷 大学院での研究をいかし、美術の世界と教育の架け橋になれたらと思っています。通信教育は自分のペースで挑戦できるのがメリットですが、社会人の方はそれまでの経験をいったん横に置いて、まっさらな気持ちで取り組むことをおすすめします。

後藤 お客様のニーズに応えつつ、街の景観や環境にも配慮した建築を提案していきたいですね。 通信教育部生にとって、スクーリングで出逢う仲間の存在も励みになると思います。

上掛 約6年をかけて「リカレント教育」に取り組んだ経験は自分の貴重な財産。写真や展示の知識は、行政と芸術の両分野にまたがる活動にも大いに役立っています。社会人としての経験を芸術の世界に還元する方法は、作品制作の上でも大きな強みになりますよ。

 

織作 ここでの学びが仕事にも人生の豊かさにもつながっているのですね。実体験をふまえたアドバイスが心強いです。本日はどうもありがとうございました。


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