お知らせ

12月3日

建築学科の山内靖朗先生が個展を開催

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建築学科准教授として通信教育部でも教鞭をとる建築家の山内靖朗先生。2022年10月9日~18日、自身初の個展「山内靖朗ー建築のはじまりー展」が、大阪市北区のギャラリー「KAZE ART PLANNING」にて開催されました。

 

個展開催のきっかけは、2021年10月に同ギャラリーで行われたグループ展です。写真家やグラフィックデザイナーらとともにドローイングを出展した山内先生は、作品展示や創作の楽しさをあらためて実感。建築家・大学教員として多忙な毎日を送りながら、こつこつと制作に取り組みました。

 

今回展示された作品は、「自然界の素材に少し手を加えるのがアートのはじまりであり、建築の原点である」という着想から生まれたもの。建築設計の基本素材である金属や紙、木材を、日常的になじみのある素材に置き換えて表現。画鋲や和紙、天然木を薄くスライスした「突板」という板材などを駆使して、半立体作品を制作しました。

 

和紙を何十もの層にして重ね、画鋲を幾何学的に配置して、素材感とともにその中に生まれるズレや余白の美しさも追求。フレーム内で4つの作品を自由にレイアウトでき、パターンの変化を楽しめるアートにも、建築家ならではの視点が光ります。

 

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 和紙や画鋲で素材美や組合せの妙を表現した作品

 

突板を小さくカットしてアクリル板に貼り付け、ライトボックス作品にしたシリーズでは、高品質な突板の質感を重視。天然木の繊細であたたかな風合いが、光と融合していっそう引き立ち、木という素材の魅力が伝わります。

 

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突板と光を融合させた作品「木漏れ日」

 

「建物を設計する時、意匠からスタートしたり、構造から組み立てたりと、何から始めるかは建築家によって様々です。私にとっては、素材との出会いが“建築のはじまり”。素材がもつ特性を掘り下げるところから、建築のあり方や意匠や構造の可能性も広がっていきます。今回の作品展では、建築家である私と、自然界から生まれた素材とが協奏する世界を表現したつもりです」と山内先生は語ります。

 

会場には、建築家や画家、写真家など様々なクリエイターが来場。また大阪芸術大学建築学科の在学生や卒業生も多数訪れました。作品を通じて、大学での授業とは違う観点から山内先生の建築観や素材への思いにふれる体験は、自身の「建築のはじまり」を見つめ直すきっかけにもなったようでした。

 

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左)建築学科の在学生・卒業生たちと建築やアート談義が弾んだ

右)山内先生(左)と「KAZE ART PLANNING」代表の泉井千恵さん